歯周病で食道がん、胃がんのリスクが上昇
新潟市東区物見山 歯周病専門医 くぼた歯科クリニック 院長の久保田健彦です。
歯周病で食道がん、胃がんのリスクが上昇することが、先日長期多数症例の疫学研究論文で示されました。
歯周病歴を有する人では食道腺がん、胃腺がんのリスクが上昇することが示された。米・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのChun-Han Lo氏らはNurses’ Health Studyの参加者約10万例とHealth Professionals Follow-up Studyの参加者約5万例を20年以上追跡し、歯周病とがんの関係を検討した結果をGut(2020年7月20日オンライン版)に発表した。(関連記事「口腔内の歯周病菌が大腸がん発生に関与」)
約15万例を20年以上追跡
食道腺がんリスク43%、腺がんリスクの52%上昇
口腔内微生物叢が関与
Lo氏らは、歯周病および食道がんと胃がんリスクとの関連には口腔内微生物叢が関与していると指摘。その理由の1つとして、これまでに重症の歯周病の原因菌とされる”red complex”のうち2種類(Tannerella forsythiaとPorphyromonas gingivalis)が食道がんの存在およびリスクに関連することが報告されていることを挙げた。また、口腔衛生状態の悪さと歯周病は硝酸還元菌を介して胃がんの原因となる内因性ニトロソアミンの形成を促進することも報告されている。
歯周病は細菌感染症であり口腔内・消化管内の細菌叢を乱します。
歯周病は万病の元、予防・早期治療・再発予防のメインテナンスが大切です。
8割以上の成人が罹患している歯周病、30歳以上の人は先ずは歯周病専門医の先生に診てもらうと良いでしょう。