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2025.10.15 | 未分類

Blue Radical について

Blue Radical 機器ですが、一旦納品されたもののBlue Laser光の出力が安定せず、再納品でも同様の症状が見られ、当院においては残念ながら一旦導入をPending(キャンセル)としました。世界初の歯周病治療器ということで、その効果は認められています。一方、非常に高価でセンシティブな機器であり、セッティングに時間がかかることと、また保険診療との比較において通常の患者さんにルーティーンに使用しづらいこともあります。今後も、Blue Radicalの動向はウオッチしていきますが、本機器は魔法の機器ではなく、開発者の菅野先生も話しているとおり「患者さんのセルフプラークコントロールが重要」「いきなり施術するものではなく、歯周精密検査を経て、適応症(残存ポケット6mm以上の重度歯周炎)に行う治療であること」「歯石除去力は通常の超音波スケーラーに対して弱く、主としてRadical反応による活性酸素の殺菌力を期待するものであること」などから、先ずは、通常の「歯周基本治療」を行うことが重要です。歯周基本治療を行うことで、「患者さんのモチベーション」や「患者さんの治療への生体反応・免疫力・治癒力」を知ることになり、その後の、歯周外科治療での予後も予測しやすくなります。Blue Radicalの原理・着想は素晴らしく、私も大学で基礎及び臨床研究はもとより、歯周病の領域だけでも、ペリオクリン、エムドゲイン、リグロスの治験を担当しておりましたので、「治験を経て正式に歯周病治療器として認可」され、日本の「ものつくりの英知を集めた機器」へのリスペクトはあります。ただ発展途上の機器でもあり、チップやファイバーの耐久性や製品精度、機器の安定性も今後益々改善されていくべきと思われます。モリタ社のアーウィンアドベールは「歯周炎及びインプラント周囲炎の非外科及び外科的治療」について、臨床研究を主導し複数の論文を発表、結果として治療機器としての「インプラント周囲炎治療への適応拡大」に貢献した経験もあります。歯周病専門医・指導医である立場から、私としては「歯周基本治療・歯周非外科治療」の重要性・効果をエビデンス・臨床経験をもとに十分理解しております。更に、歯周組織再生治療に代表される「歯周外科治療」「インプラント」も専門としており、学生達や一般歯科医師にレクチャーする立場です。これからも、「患者さんファースト」で、保険治療をベースとしながら、個々の患者さん、そして個々の歯周炎罹患歯にオーダーメイドでベストな治療計画を立案し、必要に応じてエルビウムYAGレーザー等を使用して、Blue Radicalに勝るとも劣らない良好な結果を出せるものと自負しております。当院の、歯科衛生士達も同意見でした。すでに、Blue Radicalについて、お電話で相談を受けたいと希望された患者さんがいらしたようですが、以上のことから、当面は、Blue Radical無しで、エビデンスに基づいた「ゴールドスタンダード」な歯周治療をブラッシュアップして進めて参ります。Blue Radicalに関しては、中には発売元でも関知していない過大な広告を謳っている歯科医院も散見されるようです。良い機器も使い方次第です。EBM(Evidence based medicine)がEBM(Economy biased medicine)になってしまっては、開発者の先生も悲しむと思います。我々は、真に患者さんのためとは何かを考え引き続き精進していく所存です。今後とも、「歯周病専門医 くぼた歯科クリニック」を宜しくお願いいたします。 院長 久保田 健彦


2025.01.24 | 未分類

あしたが変わるトリセツショー 血糖値も下げる!?命を守る口内フローラ改善術 (NHK)

新潟市東区の歯科医院 「くぼた歯科クリニック」 歯周病専門医の久保田健彦です。

久しぶりの投稿です。今年も昨年同様に暖冬になりそうな今日この頃ですね。

昨日のNHK総合テレビで「あしたが変わるトリセツショー 血糖値も下げる!?命を守る口内フローラ改善術」という番組がありましたのでご紹介します。

私の知人の先生も数名出演しており、構成も一般の方や患者さんにわかりやすい良い内容でした。

「あしたが変わるトリセツショー 血糖値も下げる!?命を守る口内フローラ改善術」のタイトルをクリックしてもらうと、見逃し配信のNHKプラスのサイトが視られます。

1月29日(水) 午後11:50〜午前0:35 再放送もあるようです。

日頃、チェアーサイドで患者さんに歯周病予防・治療の大切さや口腔ケアの意義などをご説明しているのですがやはり、さすがNHK! 映像でわかりやすく説明してくれますね~。

ご覧になって、しばらく歯科医院へ行っていないという方や「糖尿病」が心配な方がおられましたら、是非歯周病学会指導医・歯周病専門医であるくぼた歯科クリニックにご相談ください。

歯や歯を支える骨(歯周病再生治療もありますが)は、一度失ってしまうと完全には元に戻りません。

そのためには、予防・早期発見と治療・メインテナンスが重要です。

患者さんが、当院がきっかけで糖尿病を早期発見でき、大変感謝されたこともあります。

「風邪は万病の元」ということわざがありますが、「歯周病は万病の元」というくらい、全身疾患に互いに影響し合っています。糖尿病だけではなく、認知症、冠動脈疾患、肝炎、がん、リウマチ、早産などなど。

歯周病は、口中の細菌性プラークが原因であり、予防や治療が可能な病気です!

どうか、歯を失ってから後悔する前に「正しい知識」を持って、歯周病から歯を守っていただきたいと思います。そのために、当院がお力になれれば幸いです。

くぼた歯科クリニック(新潟市東区/新潟駅)|ドクターズ・ファイル (doctorsfile.jp)

久保田 健彦 院長、久保田 千華子 副院長の独自取材記事(くぼた歯科クリニック)|ドクターズ・ファイル (doctorsfile.jp)

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これからもスタッフ一同頑張って参りますので、宜しくお願いたします。


2024.03.04 | 未分類

「マンガ」・「デンタルクエスト」

新潟市東区の歯科医院 「くぼた歯科クリニック」 歯周病専門医の久保田健彦です。

概ね暖冬だったこの冬も3月になり春が間近の今日この頃ですね。

とはいえ、今日も冬へ逆戻りの天候でタイヤ交換はまだまだ先にした方が良さそうです。

2022年の11月に紹介した「マンガ」・「デンタルクエスト」ですが、遂に最終巻5巻で完結しました。

これまで、病院や外科医・産婦人科医・僻地医療医・放射線技師らをテーマにしたマンガやドラマがありましたが、これだけ身近な歯科医や歯科衛生士・歯科技工士を主人公にした物語は少なかったと思います。

いつかそんなテレビドラマが出来ないか 楽しみですね~ (^^)

不適切にもほどがある という昭和のドラマ見ていますが、歯医者さんのシーンなんか出てこないだろうなぁ (^^;)

院長は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士になるための学生達にも臨床教授として時々講義をしているのですが、特に歯科衛生士さんに興味がある人は、読んでみると面白いです(^^) 。

歯科衛生士さん 歯科技工士さんは 多くの歯科医院で求人も多く、これからますます求められる仕事だと思います。

内容は、見てのお楽しみ。でも、歯科医療のトレンドについてもふれており既に歯科衛生士・歯科医になっている人でも楽しめますし、一般の方にもオススメです。

くぼた歯科クリニックにもありますので、読みたい方はお声かけ下さい。

患者さんのご家族が、当院がきっかけで衛生士さんを目指して大学に合格したりと、そんな出会いも楽しみの一つです。

大学歯学部や歯科衛生士・歯科技工士養成短期大学、歯科衛生士専門学校にこの春から入学する人も多いと思います。若い人たちの益々の活躍を祈っております(^^)

くぼた歯科クリニック(新潟市東区/新潟駅)|ドクターズ・ファイル (doctorsfile.jp)

久保田 健彦 院長、久保田 千華子 副院長の独自取材記事(くぼた歯科クリニック)|ドクターズ・ファイル (doctorsfile.jp)

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これからもスタッフ一同頑張って参りますので、宜しくお願いたします。


2023.11.14 | 未分類

ガムの効用

新潟市東区の歯科医院 「くぼた歯科クリニック」 歯周病専門医の久保田健彦です。

11月も半ばを過ぎました。既に、冬タイヤに交換した方もいるのではないでしょうか?山間部では、雪の便りもでていますので安全のために、早めの交換をお勧めします。

本日は、「ガムの効用」と題してお話ししたいと思います。

歯医者さんの中には、「ガムを食べたほうが良い」という先生と「ガムは食べないで」という先生がいると聞きます。ガムを食べることで、歯や歯周組織にに負担がかかり障害を起こすことや、場合によっては詰め物がとれることもありますが、概ね良い効果があると思います。

一つ目は、先回お話しした「唾液」の分泌を刺激してくれると言うことです。研究で唾液を採取するためにガムを嚼むことがあるように、嚼むことで唾液がでます。唾液の効能については、前回のブログを見てください。

最近のシュガーレスガムであれば、虫歯の心配もありませんし、逆にキシリトール効果で虫歯予防になることも!ガム成分の中に、お口の細菌をトラップすることで細菌の量を減らす効果もあります。よって、歯周病や口腔粘膜の病気の予防にも効果があります。

次に、嚼むことによりお口の周りの筋肉や咀嚼筋、関連して頭の側頭筋や関連する全身の筋肉を刺激して、血流が良くなることがあげられます。実際、認知症の予防や記憶力の改善がおきるという研究結果もあります。大リーグのスポーツ選手などがプレー中にガムを噛んでいるのをみたことがあるかもしれません。嚼むことにより、自律神経を整えリラックスする効果もあるといわれます。

他にも、含有されている成分で口臭を予防したり、腸内細菌を整えたりという効果もあるようです。

院長は、これまでクラシエフーズをの共同研究で「歯周病とガムに関する研究」をして論文を3編書いています。

1つは、抗酸化作用のある「植物タンニン」の効果、2つめは「乳酸菌の効果」、3つめは「禁煙補助効果」です。共通していえることは、ガムは食品であり子供からお年寄りまで、比較的安全に使えること。もちろん、ブラッシングや歯科医院での専門的クリーニングは必須ですが、日常の口腔衛生に補助的に使用出来るものと考えています。

喫煙をやめられない理由に、(たばこをくわえていないと)何か口寂しいという感覚があるので、その代わりにガムを嚼むというのも禁煙の助けになります。専用のニコチン含有のガムもありますが通常のガムでも良いと思います。

くぼた歯科クリニックでは、歯科医院専売品の「POs-Ca」というガムを販売しています。

ご興味のある方は、受付でお訊ね下さい。

どうか 全身の健康のためにも「先ずはお口の健康から」しっかりと、治療してメインテナンスしていきたいものですね(^^)

また、お聞きになりたいことがありましたら お気軽にお訊ね下さい。

お時間の許す限りお答えしたいと思います。

院長の、研究をまとめた総説もあります。

今回は「ガムの効用」についてお話ししました。

今後とも、より良い歯科医療をご提供できるよう努力して参ります

くぼた歯科クリニック


2023.09.25 | 未分類

唾液の重要性

新潟市東区の歯科医院 「くぼた歯科クリニック」 歯周病専門医の久保田健彦です。

9月も最終週となりました。NHKの朝ドラももうすぐ終了です。秋風が涼しく感じられるようになりました。

先日、ある患者さまより、「唾液(つば)」について質問がありました。

そのときに、お答えした内容を久しぶりにブログとして書いておこうと思います。

Q:先生、唾液って大切なんですよね?

A:そうですね。まず、お口の中で言えば、

1)唾液緩衝能というものがあります。歯科の2大疾患のうち「う蝕(虫歯)」に対しては、食後酸性となるお口の中の環境を唾液(緩衝能)により、中性にして歯が溶けないように守ってくれます。

2)歯周病に対しても、唾液中には様々な免疫物質が含まれており細菌感染から守ってくれます。「傷口に唾をつけると治る」と昔から言われるように、お口の中の傷が治りやすいのは唾液の効果もあります。一方、歯周病が治療されず重度になっている方は、唾液中の歯周病菌により誤嚥性肺炎の原因になったり、腸内の細菌叢(フローラ)に悪影響を与える可能性があります。

3)口内炎や粘膜にも、唾液中の粘液成分が保護として働くので、(シェーグレン症候群など)自己免疫疾患や(降圧剤など)常用薬の副作用などで唾液が減ったりして、お口が乾きやすくなると痛みとして感じたりします。

4)唾液の自浄作用で、食べかすや細菌(プラーク)が洗浄されることで口臭を抑えたり、虫歯や歯周病・呼吸器感染症などになりにくくなります。

5)お口(唇・歯・舌・喉まで含めて)は、食べ物を消化して栄養を吸収するための重要な器官です。よく噛むことで唾液の分泌はより高まります。唾液中にはアミラーゼというデンプンを麦芽糖に分解する酵素も含まれ、健康を維持するための栄養を得るための重要な働きがあります。

6)まとめると、唾液は外界と最初に触れる器官である口腔に(耳下腺・顎下腺・舌下腺などから)分泌される体液であり、消化管を通じて、胃・小腸を経由して栄養を獲得するとともに、腸内細菌のバランスやフローラにも影響し最終的には大腸から肛門・体外へ排出されるまで、重要な役割を果たすもので、口腔はもとより全身の健康にとっても大切なものなのです。

というようなことを、お話ししました。

唾液をしっかり出すためには、よく噛むことが大切ですが、メンタルや自律神経のバランスも重要(副交感神経優位で唾液が出やすくなります)ですし、睡眠や毎日の生活習慣が大切です。

どうか 全身の健康のためにも「先ずはお口の健康から」しっかりと、治療してメインテナンスしていきたいものですね(^^)

また、お聞きになりたいことがありましたら お気軽にお訊ね下さい。

お時間の許す限りお答えしたいと思います。

今回は「唾液の効用」についてお話ししました。

今後とも、より良い歯科医療をご提供できるよう努力して参ります

くぼた歯科クリニック